敗血症の重症度を反映する新しい診断マーカー プレセプシン
02.プレセプシン値がAPACHEⅡスコアと良い相関を示した
2症例について解説します。
なお、症例①及び②は共に、大腸穿孔による敗血症性ショック症例です。
2症例について解説します。
なお、症例①及び②は共に、大腸穿孔による敗血症性ショック症例です。
症例① 敗血症性ショック 70歳代男性
症例①は、来院当日でプレセプシン値とAPACHEⅡスコア、クレアチニン値の何れも高値を示しました。さらに、治療の経過と共に全て良い相関を持って減少したことが確認されました。
症例② 敗血症性ショック 80歳代女性
症例②では、初期段階でプレセプシン値とAPACHEⅡスコアは共に高い値を示し、治療の経過に伴い良い相関を持って減少しました。一方、クレアチニン値は来院2日目まで上昇し、その後減少することから、プレセプシンとは異なる推移を示しました。
症例①と②から、プレセプシン値はAPACHEⅡスコアと良い相関を持って推移し、臨床経過の判断にプレセプシンが有用であると考えられます。また、プレセプシン値は慢性腎不全患者において高値を示す報告がありますが、AKIを伴う敗血症性ショックにおいては、クレアチニン値とは必ずしも一致しない症例があることが確認されました。