敗血症診断マーカー パスファーストPresepsin
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  • A
    ・真菌は少数例ですが、上昇したとの報告があります*。
    ・ウイルス感染ではこれまで上がったという報告例はありません。

    *:第88回日本感染症学会・第62回日本化学療法学会 合同学会 一般演題:O03-101
  • A
    敗血症では白血球数とプレセプシンの相関がないことが報告されています*。
    敗血症性ショックを合併した好中球減少症において、プレセプシンが敗血症の重症度評価に有用である報告があります**。また、国内においても発熱性好中球減少症の患者において感染によりプレセプシンが上がったという報告もあります***。小児においては、抗癌剤治療中の発熱性好中球減少症において、プレセプシンが不明熱群と敗血症/菌血症群で差が無いとの報告もあり、今後さらに検討が必要です****.

    *:第40回日本救急医学会総会・学術集会 救急敗血症塾(イブニングセミナー)
    **:Makarova P, et al. ESICM LIVES 2014 abstract 0054
    ***:Fukui Y, et al. Sepsis 2013: P-58
    ****:Urbonas V et al. Cytokine. 2013;62(1):34-7.
  • A
    グラム陰性菌とグラム陽性菌の感染による敗血症では、プレセプシンの陽性率および測定値に差はありませんでした*。

    *:パスファーストPresepsin添付文書(薬事申請データ)
  • A
    ウサギ動物実験から、プレセプシンは顆粒球・単球他の細菌貪食に伴いCD14が細胞内消化を受けて産生されることが報告されています*。また、ヒトにおいては単球からも細菌貪食でプレセプシンが産生されることが報告されています。その他機序についてはまだわかっていませんが、CD14は単球やマクロファージにも多く発現しているため、それらの関与が考えられます。

    *:内藤 克紀他.第37回 日本救急医学会 2010: 演題番号O-1-321
    **:Arai Y, et al. 56th ASH Annual meeting Oral and Poster Abstracts No.1402
  • A
    CD14は,単球やマクロファージの細胞膜上に存在する分子量約55kDaの糖蛋白であり,細菌由来のLPSを認識する共受容体として同定され,エンドトキシンに対する免疫反応の調節において,その重要な役割が明らかとなっています*.さらに,CD14は他の細菌表面リガンドとの反応においても細胞活性化を仲介することから,CD14は“パターン認識受容体”であることが示されています**.
    プレセプシンは貪食(ファゴサイトーシス)によって取り込まれたCD14が酵素消化され放出された産生機序が報告されています。

    *: Wright SD, et al. Science 1990;249: 1431-3.
    **: Pugin J, et al. Prog Clin Biol Res. 1995;392:369-
  • A
    動物実験によりプレセプシンは主に尿に排泄されることから腎代謝の可能性が示唆されています*.
    慢性腎不全患者、特に慢性維持透析患者では高値を示す傾向がみられます。慢性腎不全(保存期)では1000pg/mLまでプレセプシンが高値を示すことがあります。慢性維持透析患者では、3000pg/mLまで高値を示すことがあり、その要因として透析アミロイドーシスによるマクロファージの関与が示唆されています**.

    *:国際特許番号 WO2012/157751 A1
    **:大場 孝他:第61回 日本臨床検査医学会 一般演題383
  • A
    敗血症でない菌血症での明確なデータはないですが、重症度に応じて値が上がってくる報告もあり、軽症の場合は上がらず、敗血症を含む全身性の感染症の場合には上昇してくると考えられます。
  • A
    ウサギモデル(盲腸結紮穿孔(CLP)モデル)において、IL-6は感染後4時間後に上昇したのに対し、プレセプシンは感染後2時間後に上昇したとの報告があります*。

    *:内藤 克紀他.第37回 日本救急医学会 2010: 演題番号O-1-321
  • A
    敗血症(細菌性)を疑う患者
    保険点数:プレセプシン定量 301点
    プロカルシトニン半定量(301点)、定量(301点)又は、エンドトキシン(250点)を同時に実施した場合には主たるもののみを算定する。

    厚労省は頻度制限の設定はしていません。
    DPC病院の場合、敗血症の診断がついて入院となると包括になるので、何回測っても査定はありません。
  • A
    機序は完全にわかっていませんが、血中に存在するsCD14がプロテアーゼによって分解される機序が示唆されています*。

    *:依田 尚文他:日本臨床検査自動化学会 第46回大会 一般演題114
  • A
    測定前に全血、血漿または血清検体を均一に混和する場合は5~10回程度の緩やかな転倒混和でお取扱いください.
    激しい攪拌は避けてください.緩やかな攪拌でも,長時間の転倒混和は避けてください.測定結果に影響を与える恐れがあります.
    血算自動分析機で測定後の検体は,装置内での自動攪拌プロセスにより測定値へ影響を与える可能性がありますので,専用採血または血算測定前のプレセプシン測定を推奨します.また、装置内の攪拌が軽度の装置であっても、プレセプシン値に問題ないか検討された後にご使用頂きたいと思います。