敗血症診断マーカー パスファーストPresepsin
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メディカルレポートvol.1

遠藤重厚先生に聞く新しい敗血症マーカー プレセプシン
03.プレセプシン値をどのように
解釈すればよろしいでしょうか?

多施設臨床試験の結果から、敗血症のカットオフ値は500pg/mLとしました。500pg/mL を超える症例では敗血症を強く疑い、臨床症状及び他のマーカーを参考に敗血症の診断を行います。
一方、健常者の測定値の95%値は314pg/mLでしたので、300~500pg/mLの間も何らかに感染している可能性が示唆されました。実際、肺炎などの局所感染では500pg/mLは超えないものの明らかに基準値を超える症例を経験しています。

表

また、後に敗血症と診断された症例でも500pg/mL以下で推移した症例もありました。従って、300〜500pg/mLの値を示した場合はなんらかの感染の可能性を疑ってよいと思います。また、私の施設ではプレセプシンが1000pg/mLを超えている場合は、重症敗血症の可能性があるとみて警戒するようにしています。重症感染症になった場合は抗菌薬の変更やガンマグロブリンの投与などを早急に検討する必要があり、この判断がとても重要です。臨床症状とプレセプシンやその他のマーカーを見て総合的に診療を進めています。